一億総介護時代

 介護は配偶者や子供など家族が担うものとされていましたが、少子化と高齢化で家族による介護は不可能となり、介護の担い手にプロを導入する介護保険を中心とした社会制度ができました。天涯孤独であれば自分自身でプロフェッショナルによる介護を要請する必要がありますが、介護をしようとする家族がいれば、その人がケアマネージャーと相談しながら介護の計画を立てることになります。その経験は共通することも多く、いろいろな人の参考になるものです。

 親の介護体験を語るタレントと言えば、荒木由美子さんでしたが、今は現役の介護福祉士として活躍する女優の北原佐和子さん、母親の介護をされている新田恵利さんなど、いろいろな有名人の介護体験をマスコミで知る機会が増えました。先日は母親の介護の体験を語る杉田かおるさんの記事を読みました。もちろん介護の担い手は女性ばかりではありません。ノンフィクションライターの松浦晋也さんも認知症の母の介護体験を記しています。

 兄弟姉妹の多い時代は長男夫婦など同居の年長者が介護を担い、あまり関わらないうちに終わっていたという弟、妹も多くいたものと思いますが、少子化で誰もが当事者として介護を経験する時代になっていると感じました。

at 08:28, kameriki, 介護

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クルドとカタルーニャ

 イラクのクルド自治区で独立への賛否を問う住民投票が行われ90%を超える賛成が得られました。スペインのカタルーニャ州でも同様の住民投票が実施され賛成票が90%を超えました。住民の意思は示されましたが、どちらもあまり歓迎されていないようです。

 イラク政府としては領土の一部が失われることを歓迎することはできないでしょう。スペイン政府も同じです。さらに、当事者ではない周辺国も歓迎していないのは混乱を避けたい気持ちがあるのでしょう。当事者同士、平和裏に話し合いで解決してもらいたいものですが、簡単ではありません。国際社会はできれば関わりたくないのが本音かもしれませんが、クルド人が国を持たない最大の民族と言われる状況に追い込まれた原点は、英仏露がオスマン帝国の領土を分割したサイクス・ピコ協定にあり、英仏露、三国はクルド人の独立要求に向き合う責任があるでしょう。イラクにISを出現させ、ISとの戦いでは主力としてクルド人部隊を頼りにした米国もクルド人の悲願を無視できないはずです。将来、平和的にクルド自治区が独立できることを願っています。

 カタルーニャ州の住民の多くが独立を目指すほどスペイン政府に対する不満を募らせていたことは部外者には分かり難いものです。しかし、歴史的に中央政府と異なる文化を持っている地域の住民にとって、自らの声を政府が無視していると感じれば、独立運動に至ることは日本にとっても他人事ではないでしょう。憲法改正をして地方分権を書き込もうという希望の党は沖縄県民の声をどのように聞いているのでしょうか。

at 07:25, kameriki, 雑感

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対話をしない安倍首相

 衆議院を解散した安倍首相は、混乱している野党を尻目に選挙運動に勤しんでいます。自民党の選挙公約に北朝鮮問題への対応が入り、首相は演説で金正恩氏が考えを変えて核を廃棄すると言ってこなければ対話をしない趣旨の発言をしていました。金正恩氏が自分から見返りもなしに核を廃棄する可能性は殆ど無く、発言通りであれば首相は金正恩政権と対話をしないことになります。最終的に対話をせずに解決する方法は戦争しかありません。北朝鮮対応を選挙公約とするのであれば、米軍に武力行使を勧めるのか明言すべきです。

 北朝鮮問題を解決するために行動することはどの政党が政権をとっても同じことで、それ自体が選挙の争点とはなり得ないものです。経済制裁で北朝鮮に圧力をかけることについてもどの政党も同じです。その先にどうするかを言わなければ、争点とはなりえません。金正恩氏の変心を待っているだけであれば、無責任な政策です。

 意見の異なる人となるべく対話をしない方針は内政でも外交でも一貫しているようです。

at 07:13, kameriki, 雑感

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がんばれ枝野さん

 民進党代表となった前原氏は衆議院議員選挙に向けて民進党としての公認候補を立てず、小池知事の立ち上げた「希望の党」に公認申請することを決めました。民進党代表選のときから小池知事と連携できるかどうかは前原氏と枝野氏の意見が分かれるところでしたが、民進党を小池氏に丸ごと身売りする前原代表の捨て身の戦略によって民進党が分裂することになりました。代表選で前原氏は衆議院議員選挙は政権選択の選挙であり、政策が一致しない党とは組めないと共産党との選挙協力に否定的でしたが、これまでの民進党と小池氏の考え方の方が民進党と共産党より差が大きいはずです。

 結局、枝野氏が新党「立憲民主党」を結成することによって、民進党が希望の党と合流するグループと枝野氏の立憲民主党、さらに無所属の有力者に分裂することとなりました。安倍政権と野党で一対一の選挙戦とはなりませんが、希望の党が選挙後に安倍政権の補完勢力となる可能性もあり、立憲民主党と共産党、社民党グループの協力候補が自公と希望の党に対抗できるかということになるでしょう。

at 07:52, kameriki, 雑感

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大きくする顕微鏡法(microscopy)

 二つのレンズで小さいものを拡大してみるのが光学顕微鏡ですが、この拡大はあくまで顕微鏡の視野の中での拡大で実際に小さいものが大きくなることはありません。しかし、光学顕微鏡では光など波の回折現象で解像度に限界があります。この限界を超える方法として、観察対象物を物理的に大きくしてしまう膨張顕微鏡法(expansion microscopy)という驚くべき方法があることを知りました。

 NHKEテレで9月24日に放送されたサイエンスZEROという番組で、8Kカメラを使って解像度を上げながら広い視野を確保する自治医科大学西村智教授の技術の次に、MITメディアラボのエドワード・ボイデン教授による膨張顕微鏡法が紹介されていました。8Kカメラの映像は9月30日に放送されたNHKスペシャル「人体」の番宣にもなっていました。映像は素晴らしいのですが、驚きはありません。番組で「逆転の発想」と紹介されていた見るものを実際に大きくしてしまう膨張顕微鏡法は、睡魔と戦いながら見ていたため原理を理解できませんでしたが、すごい技術として頭に残りました。ネットで調べると、2015年1月30日号のScienceに掲載された技術のようです(Chen F., Tillberg P. W. & Boyden E. S. Science 347:543-548,2015)。生体組織内で重合させたアクリル酸塩ポリマーに水を加えて組織を膨張させ5倍程度に拡大させることに成功したそうです。すべてに応用できるわけではありませんが、注目される技術と思いました。

at 07:33, kameriki, 雑感

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日本列島のない世界地図

 平昌オリンピックの公式ホームページに日本列島とサハリンの記載がない世界地図が掲載され、日本政府の指摘により修正されたことが報じられました。何か意図をもって掲載されていたのか、単純ミスかは分かりませんが、日本列島とサハリンが記載されていない地図があることに驚きました。担当者が意識的に世界地図から日本列島と併せてサハリンを消した可能性もありますが、仮に間違って掲載したのであれば、日本列島のない世界地図が韓国に存在していることになります。このような世界地図が存在しているとしたら、どのような目的で作られ、何に使われているのか気になるところです。

 現在、日本と北朝鮮は国交がなく核や拉致問題で敵対的な関係にあります。さらに、慰安婦問題などで韓国を好ましく思っていない人も多いかもしれません。それでも、日本では朝鮮半島が記載されていない世界地図という発想は出てこないのではないでしょうか。どういう思考回路で日本列島のない世界地図という発想が生まれたのか、興味が湧きました。

at 08:00, kameriki, 雑感

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福島原発事故千葉地裁の奇妙な判決

 福島原発事故で千葉県に避難した45人が国と東京電力に損害賠償を求めた訴訟の千葉地裁判決が9月22日にあり、国の責任は認めませんでした。判決理由で、阪本裁判長は政府機関による2002年の巨大地震の『長期評価』によって津波発生の予見性は認め、国の規制権限も認めましたが、「長期評価の信頼性には異論があり、国や東電が想定し得るリスク全てに資源を費やすのは現実には不可能だ」とし、津波被害の対策を「仮に実施しても事故に間に合わないか、事故を回避できない可能性もあった」と述べたことが報じられました。

 対策しても原発事故を回避できない可能性に言及するとはずいぶん大胆な判決のように感じました。原発事故が対策しても回避できない事故であったとするのなら、原発は事故が防げない施設であることを裁判長が宣言したようなものではないでしょうか。もちろんあらゆる事故のリスクはどんな対策をしてもゼロにはなりませんが、新しい規制で原発の安全神話が復活したかのように再稼働を進める安倍政権にノーと言ってるように聞こえます。今回は損害賠償請求ですから、同じ裁判長が再稼働の差し止め請求を受けたら同じ理屈で再稼働を止めるかどうかは分かりませんが。。。。

 事故を回避できない可能性があっても、事故が起こる確率が低ければリスクは許容でき、再稼働しても構わないと言うのが原発推進派の考えでしょう。衆議院議員選挙では原発再稼働を進める安倍政権の政策についても選挙の争点とするべきです。

at 07:24, kameriki, 雑感

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イラン核合意遵守は重要

 トランプ大統領の国連演説では拉致事件にも言及され日本では北朝鮮への非難だけがクローズアップされましたが、トランプ大統領はこの演説でイランやベネズエラなどを独裁国家として名指しで非難していました。イランが核開発を停止したオバマ大統領のレガシーとされる2015年の核合意について、トランプ氏は大統領選挙の最中から非難していましたが、就任後も変わらず、国連演説でも「米国にとって最悪で最も片務的なやりとりのひとつだ」と非難しました。さらに、9月23日トランプ大統領はイランのミサイル実験を受けてTwitterで非難し、「合意は大したものではない」と核合意も批判しました核合意はイランと米英仏独中ロの6か国が合意したもので、合意にミサイル開発は含まれていません。米国を除く5か国とイランは合意を評価し遵守する姿勢を示していて、トランプ大統領は孤立しています。

 この核合意はイランに対する経済制裁で交渉テーブルにつかせ、武力を使わずに核開発を停止させた成功例で、この合意を破棄するようでは北朝鮮に武力を使わず交渉で核兵器を破棄させることは覚束なくなります。北朝鮮問題でトランプ大統領と連携している安倍首相は大統領にイランとの核合意を遵守するように説得するべきです。

at 07:09, kameriki, 雑感

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圧力も対話も

 国連総会で9月19日、トランプ大統領は北朝鮮を「完全に破壊」と強い言葉で威嚇したり、金正恩氏をロケットマンと呼んで揶揄する演説をしました。翌日(21日未明)の演説で安倍首相は「必要なのは対話ではない。圧力だ」と強調しました。経済制裁を強めることで金正恩政権が核開発やロケット開発をあきらめて兵器を廃棄してくれれば、めでたいことですが、その可能性はゼロに近いでしょう。金正恩氏は経済封鎖で国民の大半が飢える状態になっても核兵器を廃棄するとは思えません。戦前の日本のように状況を打開しようとして、武力行使に踏み出す危険性もあります。金正恩政権に武力行使を踏み止まらせるためには対話が必要でしょう。

 核実験やロケット発射実験を経済的にできないようにするために経済制裁などの圧力をかけることは必要と思いますが、圧力だけで問題は解決しません。最終的な解決には武力行使による核兵器の破壊か対話による交渉で破棄させるかどちらかが必要になります。戦争を避けるためには対話しか方法はありません。「対話でなく圧力」ではなく「圧力も対話も」です。対話と言いたくなければ、交渉と言っても良いでしょう。圧力を有効に機能させるために中国やロシアなど関係各国に協力を呼び掛けることは必要ですが、不必要に金正恩氏を挑発することなく経済制裁の裏で対話による交渉を進めるべきではないでしょうか。安倍首相はIS問題でも余計な演説をした過去がありますから、スタンドプレイで国民の命を危険にさらすことのないよう発言には注意してもらいたいものです。

at 07:53, kameriki, 雑感

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官僚の驕りか忖度か芸術祭賞発言

 去年の12月、平成28年度の文化庁芸術祭賞の審査過程で「NHKスペシャル ある文民警察官の死〜カンボジアPKO23年目の告白」というテレビ・ドキュメンタリー部門にノミネートされた番組について、事務局の文化庁の職員が「国を批判するような番組を賞に選ぶのはいかがなものか」と発言していたことが報道されました。この職員に審査権はなく、審査員からは発言に対する反発の声も上がり、番組は大賞に次ぐ優秀賞の一つに選ばれました。時の政権の政策を批判することが国を批判することではなく、言うまでもなく国には政権に批判的な野党もいます。文化庁職員の発言には、行政を担っているに過ぎない官僚が国を代表しているかのように振る舞う「驕り」が感じられます。

 取材に対して、この職員は「国を批判するものはダメという考え方はいけないし、今回の作品が国を批判する内容とも思わない。忖度したわけではない」とわざわざ忖度という言葉を使ったとのことですから、安倍政権に対する忖度も働いていたのでしょう。「一点の曇りもない」と言った国家戦略特区諮問会議の民間議員と違って、文化庁職員の発言に審査員から抗議の声が上がったことは救いです。抗議した審査員がいつの間にか変えられていたということにならないことを願います。

at 07:49, kameriki, 雑感

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