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安心のためのPCR検査料

 大方の人は無症状で分からない新型コロナウイルス(SARS-CoV2)感染、PCR検査を拡充して早期に発見するべきとする主張がワイドショーなどでは主流のようです。日本では検査能力不足から諸外国と比較して圧倒的にPCR検査数が少ないことは周知の事実で、検査が必要と医師が判断した患者が検査を受けられない状況は改善されなければなりません。早期隔離のために感染が確定した人の濃厚接触者の検査も必要でしょう。しかし、経済活動の再開に当たって感染していないことの確認のためにPCR検査をすることについてはどうでしょうか。

 多くの専門家が指摘しているのは偽陰性が3割といわれる検査の感度の問題です。感染していて体の中にウイルスがいても採取したサンプルの中にウイルスがいなければ陰性となってしまいます。偽陰性の人が感染していないと思っていろいろなところに外出して感染を広げるリスクが増加し、症状のない人のPCR検査は感染症対策としての有効性は低いと言われています。しかし、ワイドショーのコメンテーターの意見など世間的には職場などで接触する人には感染していないことを求めたい、そのためにはPCR検査をするしかない、というのが多くの人の感覚かもしれません。糖尿病など基礎疾患をもつ患者、透析患者など感染した際の重症化リスクの高い患者は症状がなくても予防的に検査するべきとも言われています。Jリーグやプロ野球などでは再開のために定期的なPCR検査の方針を決定し、東京では夜の街での感染の拡大防止のため従業員へのPCR検査を呼び掛ける方針も示されました。

 専門家の議論の中では、偽陰性の問題に加えて、検査費用を考慮した費用対効果の面からも濃厚接触者以外で無症状の人への検査には疑問が呈されています。現在の検査は自治体などの費用負担で行われていますから、検査を受けた人はお金を払っていませんがPCR検査にはかなりのコストがかかります。SARS-CoV2のPCR検査を医療機関で受けた場合の保険の償還点数が、検体を郵送する場合は1800点(18000円)となっていますから、1回の検査で1万円くらいはコストがかかると推定できます。現在は、新規感染者が少ない状態が続いていますから、PCR検査体制に余裕もあると思いますが、経済活動再開のための無症状の人への予防的PCR検査については偽陰性の問題と合わせて費用対効果についても考慮する必要があります。

at 08:07, kameriki, 雑感

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