<< 新型コロナ再燃のリスク | main | 南北接続開業イベントは大丈夫か >>

鳥肉以上、鳥学未満。

 鳥類学者が鶏肉を素材に鳥の身体構造を解説した書籍です。軽快な文体で専門用語が並ぶ馴染みにくい専門書のようにならない工夫がされています。しかし、私には著者の例え話は本書を読みやすくするのではなく、読み進むうえで煩わしくさせているだけのように感じました。鳥の身体的な特徴という大変興味深い内容を、素人が目にしたことのある鶏肉を例に挙げて説明しているのですから、それだけで十分面白く読めるものです。余計な例え話は入りません。

 胸肉とモモ肉の見分け方、胸肉は単一の筋肉で、モモ肉には大腿四頭筋、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋など10以上の筋肉がついているため断面を見れば分かるそうです。人では大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋全体でハムストリングスと呼び、豚のモモ肉をハムと呼ぶそうです。従って、食べるハムはもともと豚のモモ肉から作ったものだけの呼称だそうです。フラミンゴなど足の長い鳥の足が真ん中あたりの関節から反対側(前方)に折れ曲がっているのが観察されますが、あの関節は膝ではなくカカトに当たるそうです。鳥の大腿骨つまり太ももの部分は羽に隠れていて見えないため、ひざから下、脛足根骨の部分が足の中央から上に見えて、カカトから先、足根中足骨(人の足の甲)の部分が足の下半分に見えるようです。ボンジリと呼ばれる部位はお尻(肛門)ではなく脂腺、尾脂腺などと呼ばれる脂肪を分泌する器官で背中の下方についているそうです。ここから分泌される脂肪で羽毛を手入れしていて、フラミンゴの分泌物にはカロテノイド色素が含まれているため羽毛に塗布されることによって羽がピンク色になるようです。食用の鶏卵は無精卵でふ卵器で温めてもヒナがかえることはありませんが、七面鳥の卵は未授精でも3〜5割が単為発生し、成長する個体もいるそうです。多くは発生途中で死亡するとしても、卵の殻を割ったらヒナの姿がというベトナム料理のようなことが起こるかもしれません。もっとも、多くの人は日本で七面鳥の肉に接することはあっても卵を見ることも、まして、それを温めることもないでしょう。

鳥肉以上,鳥学未満.

新品価格
¥1,620から
(2020/3/2 07:36時点)

鳥肉以上,鳥学未満. Human Chicken Interface [ 川上 和人 ]

価格:1,650円
(2020/3/2 07:39時点)

at 07:39, kameriki, 書籍紹介

comments(0), -, - -

comment