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ホモ・デウス 上

 「サピエンス全史」で話題となった歴史学者の著書で、上・下、二巻の上巻を紹介します。「デウス」は神の意味で、神の領域に踏み出そうとしているサピエンスの歴史と未来を記しています。

 人類は飢饉、疫病、戦争という三大敵に対する対処方法を獲得し、21世紀は新たな課題に取り組む可能性が高いと著者は言います。第一は不死、そして幸福を追求することで「自らを神にアップグレードしようとしている」とのことです。幸福と言えばベンサムの「最大多数の最大幸福」ですが、米国の独立宣言で三つの人権として確立した「生命と自由と幸福追求の権利」の幸福は国家が保証するものではなく、国家の権力を制限して個人の幸福追求に国家が干渉しないことを権利として認めたようです。著者はそれが、「いつの間にか、幸福に対する権利に変わってしまった」と言います。

 著者はホモ・サピエンスと他の生物との違いを歴史的に考察し、人類は多くの個体が柔軟に協力する能力で他の種を圧倒し「世界を征服した」と考えているようです。社会的昆虫をはじめ、他の個体に協力する動物は人類だけではありません。大きなケージの中に小さなケージを入れ、その中に閉じ込めたラットが信号を発すると、大きなケージにいるラットが小さなケージを開けて中のラットを解放する実験について紹介しています。大きなケージにチョコレートを入れると中のラットを解放してチョコレートを分け合うラットと、助けずに一人占めするラットがいたそうです(Empathy and Pro-Social Behavior in Rats Science   2011: 334, Issue 6061, pp. 1427-1430)。

 著者は宗教についても考察していますが、「宗教とは社会秩序を維持して大規模な協力体制を組織するための手段」として、霊的な物や神とは別のものとしています。宗教と霊性よりも宗教と科学の方が近いと言います。共産主義も宗教と見なせ、現代の宗教は人間至上主義ということになるようです。 

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