<< クー・クラックス・クラン 白人至上主義結社KKKの正体 | main | 法務省技能実習生調査結果の捏造 >>

「在宅ホスピス」という仕組み

 ホスピス勤務の経験から在宅で緩和ケアを提供する「在宅緩和ケア充実診療所ケアタウン小平クリニック」のシステムを構築し、院長を務めている医師が在宅ホスピスについて解説し、終末期医療、緩和ケア、尊厳ある看取りなどについて考察した本です。著者、山崎章郎氏は「病院で死ぬということ」の著者でもあります。

 余命短い患者に延命ではなく痛みや苦痛の除去を中心とした緩和ケアを行うホスピスの対象となるのは、日本では主に末期がん患者ですが、著者のクリニックが行っている在宅緩和ケアではがん患者以外も含めて在宅で看取りができることを目指しています。在宅療養を開始した人のうち在宅での看取りに至った人の割合を「在宅看取り率」と言っていますが、小平クリニックでの平成26年4月から29年3月までの3年間の在宅看取り率は癌患者で82.9%(223人)、がん以外の患者で89.7%(26人)だったそうです。自宅で患者の様態が急変した時などに、介護者が慌てて救急車を呼べば、病院に運ばれるか、間に合わなければ検視のための警察官が呼ばれることになってしまいます。患者が延命治療を望んでいなければ、最初に在宅医に連絡することによって、自宅で最期を迎えられるようです。

 看取りまでの在宅ホスピスを成立させるためには24時間可能な介護者が必要になります。夜間に家族などの介護が受けられなければ、夜間の訪問介護を受ける必要があり、自費で契約する必要があります。末期のがん患者の場合、残された時間は長くはありませんので、家族がいなくても介護者と契約することによる在宅ホスピスも金銭的に可能かもしれません。末期がんの患者では状態が急激に悪化することが多く、介護保険の認定が間に合わないあるいは認定された介護度が実態と合わないことも多いようです。

 夜間の介護で問題となるのがせん妄で、ホスピスでは夜間に少なくなる看護スタッフの負担軽減のため薬剤で夜間せん妄を抑制することが多いようです。在宅でも介護者の負担となることは同じですが、介護する家族が事情を分かっていれば、薬剤を使わずに患者の言動に付き合いながら対処することも可能です。在宅のエピソードでせん妄で混乱した母に怒鳴ってしまった娘が、次の晩に夜間せん妄の抑制のために用意された薬剤を使わずに一晩過ごしたことについて、薬剤で睡眠中に母が亡くなってしまったら最後の言葉が怒声になってしまうことが耐えられず、一晩付き合って怒声を浴びせたことについて謝ったということを紹介していました。

「在宅ホスピス」という仕組み (新潮選書)

新品価格
¥1,404から
(2018/11/19 07:17時点)

「在宅ホスピス」という仕組み (新潮選書) [ 山崎 章郎 ]

価格:1,404円
(2018/11/19 07:21時点)

at 07:21, kameriki, 書籍紹介

comments(0), trackbacks(0), - -

comment









trackback
url:http://blog.kameriki.info/trackback/1554