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クー・クラックス・クラン 白人至上主義結社KKKの正体

 トランプ大統領の登場で再び注目されている米国の白人至上主義結社クー・クラックス・クラン(KKK)について、主にその歴史を記した本です。著者はKKKを3期に分けて解説しています。第1期の始まり、すなわちKKKの結成は南北戦争の終了後間もない1866年、テネシー州プラスキという町で、元南部連合軍兵士だった若者6名によるイタズラ集団だったそうです。著者によると、この当時のKKKについて確かな資料が残っているわけではなく、本書でも「うわさ」として扱っています。南北戦争の結果、黒人の選挙権が認められ黒人票により共和党が支配するようになった南部の政治状況でKKKは白人の既得権益層を守ろうとする自衛的な組織だったようです。共和党員や黒人をターゲットにしたKKKのリンチ活動で投票が阻まれ選挙で民主党の議席を増やす結果につながったようです。当初米国でのリンチは黒人だけが標的ではなく1882年から85年の4年間では白人のリンチ被害者が黒人の3倍多かったのですが、1886年から逆転し、それ以降は黒人が主にリンチの対象となっていったそうです。KKKの暴力行為が連邦政府の取り締まり対象となり連邦軍が派遣され、1869年KKKの代表が解散を宣言して第1期KKKの組織的活動は終了したとされています。その後、各地の独自活動がエスカレートしましたが、1870年制定されたいわゆる「クラン対策法」による連邦政府の取り締まりで消滅させられたようです。

 米国社会は都市化と移民の流入が進み、危機感を抱いたアングロサクソンによる移民排斥論がおこりました。中国人や日本人に対する移民制限が実施される社会背景を受けて、1915年アングロサクソンの優越を唱えたウィリアム・ジョゼフ・シモンズによってジョージア州でKKKの復活が宣言されたそうです。この第2期のKKKではリンチもありましたが、慈善活動や娯楽行事、ねずみ講まがいの勧誘などで会員を増やし、最盛期の1924年には数百万人の会員がいたそうです。幹部の婦女暴行事件、権力争いの裁判により露わになった幹部の金満とKKKが主張していた移民制限が実現した社会背景で会員数が激減し1930年代には第2期が終了したようです。1960年代、黒人の地位向上を目指す公民権運動を阻止する目的で各地の残党が結集し、黒人に対する暴力集団としての第3期が始まるようです。

 秘密結社の性格上、取材しても全貌が明らかとなるはずもなく、現在のKKKが第1期の後継と見なせるのか異論もあるかもしれませんが、奇妙な衣装で仮装をするところは第1期から共通しているようです。秘密結社と言えばフリーメーソンが有名ですが、米国社会では相互扶助のための互助会として秘密結社が19世紀に盛んとなったそうです。

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