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サイトブロッキングと通信の秘密

 漫画の海賊版サイトによって著作権侵害が発生していることの対策として、政府がインターネットのプロバイダーに海賊版サイトへのブロッキングを促す方針を表明し、反対の声が上がっています。問題点として挙げられているのはサイトブロッキングが電気通信事業法で禁止されている通信の秘密を侵すことです。海賊版サイトへアクセスしようとする通信をブロックしようとすれば、プロバイダーは契約者がどこに接続しようとしているかを傍受して遮断することになります。海賊版サイトへアクセスしない人の通信もその通信先をすべて傍受することになり著作権を侵害していない人の通信の秘密も侵すことを違法と主張しているようです。言われれば、その通りだと思います。しかし、既に同様の方法で児童ポルノサイトへのブロッキングが行われていて、違いは分かり難いものです。その点について児童ポルノは広がってしまうと対象となった児童の被害の回復が不可能となるため、緊急避難として通信の秘密を侵すことの違法性が阻却されるけれど、著作権侵害は損害賠償などによって損失を回復することも可能で緊急避難に当たらないと説明されるようです。

 サイトブロッキングはすべて電気通信事業法に違反するけれど、現状、児童ポルノサイトへのブロッキングだけは緊急避難として認められるということのようです。政府が名指しすれば、そのサイトがプロバイダーのブロッキングで見られなくなるのであれば、中国のように政府への批判を封じる言論統制に利用されるのではないかと心配されます。海賊版サイトへのアクセスのブロッキングは違法行為となる可能性が高く、政府も要請はせずにプロバイダーが政府の意向を忖度して勝手にブロッキングすることを狙ったようです。NTTグループがブロッキングを実施する方針を表明しましたが、プロバイダーは通信の秘密を可能な限り厳守する方針を曲げてしまうと自分の首を絞めることになりかねません。

at 07:55, kameriki, 雑感

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