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高齢ドライバーは運転ミスしやすいか?

 高齢ドライバーによる交通事故が増加し、警察庁が対策を強化しています。高齢者が増加し、高齢ドライバーが増加していますから事故が増えるのも当然で、ドライバーの数からみた事故の割合は若年者と大差なく、ことさら高齢ドライバーだけ危ないように報道することはミスリーディングです。しかし、高齢ドライバーによる悲惨な事故が起こっていることは事実ですから、高齢者特有の事故原因があればその対策で事故を減らせる可能性もあります。警察庁は75歳以上の高齢ドライバーに着目した細かい事故分析で、事故のドライバーによる原因ではハンドルの操作ミスやブレーキとアクセルの踏み間違いなど「操作不適」が29%で最多と報告したそうです。この分析を、高齢になると身体機能が衰え反射神経も鈍くなるので、不適切な操作が増え事故につながることが統計的に裏付けられたと見る方もいるかもしれません。しかし、あくまでも割合として操作不適が最多であっただけで、75歳未満と比較して操作不適が多いということを示すことにはならず、高齢者では「操作不適」以外の要因が少ないと見ることもできます。75歳未満では「安全不確認」が23%で最多、漫然運転など「内在的前方不注意」が19%、「操作不適」は15%だったとのことです。高齢者は注意して運転しているため安全不確認や前方不注意などで事故を起こすことが少なく、結果的に「操作不適」が最多事故原因になったと考えることもできます。いずれにせよ操作不適を減らせば、事故を減らせる可能性があり、高性能な自動ブレーキの普及などハード面の整備を進める対策が考えられます。科学的根拠に基づいて高齢ドライバーに限らず、すべてのドライバーの死亡事故が減らせるよう、適切な対策が進むことを期待します。

at 07:52, kameriki, 雑感

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