自殺に追い込む精神的暴力

 福井県池田町の中学校で副担任の激しい叱責などによって精神的に追い詰められ中学生が自殺した問題が報じられています。自殺は3月に起き、自殺直後の保護者説明会では校長が「トラブルはなかった」と説明していましたが、遺族の抗議を受け5月に再度開いた説明会で校長が3月の発言を撤回して、学校の指導の問題を認めたそうです。遺族は町教委の有識者による調査委員会から「関わりの深い担任、副担任の両教員から立て続けに強い叱責を受け、精神的なストレスが大きく高まった」との報告書を、9月26日に受け取ったとのことです。教育現場で体罰については害悪であるという認識が普及したものと思いますが、肉体的な負荷や侵襲を伴わない精神的な負荷は、問題ないあるいは場合によっては必要と思われているのかもしれません。Domestic Violence(DV)については物理的な障害がなくても精神的暴力が認められることは常識になってきていると思いますが、教育分野では理解していない人も多いのでしょうか。校長は問題を隠したいという意識も強かったと思いますが、担任や副担任が生徒を叱責して何が悪いと思っていたのかもしれません。

 製薬会社の新人研修で精神的に追い詰められた男性が自殺し、労災認定されていたことが報じられました。遺族は8月に記者会見し、製薬会社と研修した会社、同社に所属していた講師に損害賠償を求めて提訴していましたが、10月16日の朝日新聞で研修の実態が報じられました。「ブラック研修」と呼ばれているようですが、「人格を否定し、それまでの価値観を破壊するような『ブラック新人研修』はこの10年で増加傾向にある。ひどい労働環境でも辞めないように、最初に順応させる狙いがある」、「このタイプの社員研修は集団の意志が自分の意志だと思えるまで調教し、仕立てていく。いわば洗脳だ。」と専門家のコメントを掲載しています。何十年も前に、街頭で叫ばせるような管理者研修の映像を見た覚えがあります。集団で洗脳するような研修は流行らなくなっているのかと思っていましたが、また増えているのでしょうか。自殺者を出した新人研修をした会社も新しい会社のようです。ホームページによると、「知識を与える」ための研修ではなく、「実践型研修」を行っているとのこと

 精神的な暴力は客観的な認定が難しいものですが、ときに物理的な傷害よりも受けた人を苦しめ致死的であることを理解する必要がありそうです。

at 07:13, kameriki, 雑感

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落ちるヘリコプター

 米軍海兵隊のヘリコプターが沖縄県東村高江で不時着し炎上したと報道されました。またかと思いましたが、今回はオスプレイではなく、CH53という大型輸送用ヘリコプターとのことです。乗員も含めて人的被害がなかったことは幸いですが、事故が続くと沖縄の人は大変不安になるものと思います。落ちるヘリコプターはオスプレイに限らないようです。今年の3月には長野県の防災ヘリコプターの墜落事故があったことも思い出されます。オスプレイの事故が圧倒的に多いように感じますが、機種ごとの延べの飛行時間が分からなければ正確な比較はできません。民生用のヘリコプターであれば安全性が最優先と思いますが、軍事用であれば軍事目的を達成するための性能が優先されることもあるのかもしれません。オスプレイに限らず、どのヘリコプターでも事故のリスクはゼロとはなりませんが、どの程度のリスクがあるのか、適切に運用されているのか、事故があっても日本政府が現場検証もできない米軍のヘリコプターだから心配になります。在日米軍基地を撤廃することはできないとしても、日本政府が事故を最小限とするよう運用させることができるよう地位協定を改定することが必要ではないでしょうか。

at 07:55, kameriki, 雑感

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安倍さんアシスト前原さん

 各新聞社による衆議院議員選挙序盤戦の状況調査では、いずれも与党が圧勝する勢いとのことです。安倍政権を評価しないとする声や衆議院解散を批判する声は強いのに選挙では多くの選挙区で自民党候補が優勢となっている原因は、野党候補が分裂していることにあるようです。仮に60%が安倍政権に対する批判票であったとしても安倍政権を批判する二人の野党候補で票が半々に割れれば、与党候補が勝利することになります。与党の議員を減らすためには野党共闘、少なくとも野党候補の棲み分けが必要でしたが、野党は希望の党と維新のグループ、立憲民主党、共産党、社民党の共闘の2陣営に分かれてしまいました。このような状況を作ったのは、民進党代表となった前原さんです。前原さんは民進党全員で希望の党に合流するとして、民進党からの公認候補を出さない決定をして、事実上衆議院民進党を解党してしまいました。しかし、一部の候補者は希望の党に「排除」され、民進党系の候補者は希望の党への合流組と立憲民主党設立組と無所属に3分裂しました。この3分裂の状況は前原さんが言ったこととはかなり異なっていますが、前原さんはもともと民進党の代表選のときから共産党を含む野党共闘に否定的でしたから、その意味では予定通りかもしれません。

 民進党として衆議院議員選挙に臨んでいたとしても、選挙に勝てるとは限りませんが、民進党解党が与党を有利にしたことは間違いないでしょう。与党が圧勝したら、最大のアシストは前原さんかもしれません。もちろん、前原さんを代表に選んだのは民進党ですから、前原さん一人の責任ではありませんが。。。

at 07:26, kameriki, 雑感

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東名カーチェイス容疑者逮捕

 東名高速道路で三車線の一番右の追い越し車線に停止させられたワゴン車に乗っていた、4人家族の夫婦がトラックの追突で亡くなった事故で、進路を妨害してワゴン車を停止させた男が逮捕されました。パーキングエリアでのトラブルから容疑者のカーチェイスで死亡事故に至ったようです。痛ましい事故で亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

 進路をふさいだ容疑者の行為は許せないものですが、ワゴン車に事故を避ける方法はなかったのかと考えてしまいます。今回のカーチェイスの原因となったパーキングエリアでのトラブルに限らず、高速道路上での追い越しなど、意図しないことで理不尽な恨みを買ってカーチェイスを仕掛けられる可能性は誰にでもありそうな気がします。

 自分の運転テクニックや車の性能からはスピードを上げて逃げ切るようなことは不可能で、何とか相手に追い越してもらって、いなくなって欲しいところです。しかし、この事件のワゴン車のように進路をふさがれて停車させられたら、なすすべはありません。タラレバですが、停車が路肩であれば、死亡事故にはならずに済んだかもしれません。今後の教訓のためにも、追い越し車線での停車に至った全容の解明を期待します。

at 07:19, kameriki, 雑感

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ひどいぞ日産

 資格のない検査員に完成車の検査をさせていたことが国交省の立ち入り検査で発覚し、リコールを届け出た日産自動車、人件費の安い期間従業員にも検査をさせていたことが分かり、品質や安全性よりも経費節減を優先していたものと思われます。輸出車の検査であれば国交省の制度に基づく検査員の社内資格も必要なく、国内販売のためだけに有資格者を育てる手間を惜しんだともいわれていますが、いずれにしてもコストをかけたくなかったのでしょう。浮いた人件費がゴーンさんら経営者の報酬となっていたとすれば「ひどいぞニッサン!」と言いたくなります。

 巨額なリコール費用とブランドイメージの毀損を考えれば、最終的には経費節減とならなかったでしょう。日本の製品はしばしば、過剰品質と言われましたが、品質のためにはコスト削減よりも過剰なくらいの手間をかけることが必要なこともあるように思います。

at 06:59, kameriki, 雑感

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国?国民?安倍首相が守るのは

 衆議院議員選挙に向けて日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれ安倍首相は「この国を守り抜く」と書いたボードを掲げ、この国を守り抜いていくと主張しました。「国民の平和で幸せな暮らしを守り抜いていく。」とも言っていましたが、安倍首相が守ろうとしている優先順位が高いのは「国」のようです。安倍首相が思い浮かべる「国」とは、領土のことでしょうか。あるいは、戦前の思想でいう「国体」あるいは、安倍政権のことが念頭にあるのかもしれません。対北朝鮮政策で圧力を強調し、明言は避けながらも武力行使を否定しませんでした。米軍による武力行使が実施されれば、北朝鮮の体制は崩壊し、日本の領土は守られるかもしれませんが、多くの日本国民が犠牲になることは明らかです。「国民の平和で幸せな暮らしを守り抜いていく」とも言っていますが、この「国民」に安倍政権に反対する「こんな人たち」は含まれていないでしょう。

at 07:56, kameriki, 雑感

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クルドとカタルーニャ

 イラクのクルド自治区で独立への賛否を問う住民投票が行われ90%を超える賛成が得られました。スペインのカタルーニャ州でも同様の住民投票が実施され賛成票が90%を超えました。住民の意思は示されましたが、どちらもあまり歓迎されていないようです。

 イラク政府としては領土の一部が失われることを歓迎することはできないでしょう。スペイン政府も同じです。さらに、当事者ではない周辺国も歓迎していないのは混乱を避けたい気持ちがあるのでしょう。当事者同士、平和裏に話し合いで解決してもらいたいものですが、簡単ではありません。国際社会はできれば関わりたくないのが本音かもしれませんが、クルド人が国を持たない最大の民族と言われる状況に追い込まれた原点は、英仏露がオスマン帝国の領土を分割したサイクス・ピコ協定にあり、英仏露、三国はクルド人の独立要求に向き合う責任があるでしょう。イラクにISを出現させ、ISとの戦いでは主力としてクルド人部隊を頼りにした米国もクルド人の悲願を無視できないはずです。将来、平和的にクルド自治区が独立できることを願っています。

 カタルーニャ州の住民の多くが独立を目指すほどスペイン政府に対する不満を募らせていたことは部外者には分かり難いものです。しかし、歴史的に中央政府と異なる文化を持っている地域の住民にとって、自らの声を政府が無視していると感じれば、独立運動に至ることは日本にとっても他人事ではないでしょう。憲法改正をして地方分権を書き込もうという希望の党は沖縄県民の声をどのように聞いているのでしょうか。

at 07:25, kameriki, 雑感

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対話をしない安倍首相

 衆議院を解散した安倍首相は、混乱している野党を尻目に選挙運動に勤しんでいます。自民党の選挙公約に北朝鮮問題への対応が入り、首相は演説で金正恩氏が考えを変えて核を廃棄すると言ってこなければ対話をしない趣旨の発言をしていました。金正恩氏が自分から見返りもなしに核を廃棄する可能性は殆ど無く、発言通りであれば首相は金正恩政権と対話をしないことになります。最終的に対話をせずに解決する方法は戦争しかありません。北朝鮮対応を選挙公約とするのであれば、米軍に武力行使を勧めるのか明言すべきです。

 北朝鮮問題を解決するために行動することはどの政党が政権をとっても同じことで、それ自体が選挙の争点とはなり得ないものです。経済制裁で北朝鮮に圧力をかけることについてもどの政党も同じです。その先にどうするかを言わなければ、争点とはなりえません。金正恩氏の変心を待っているだけであれば、無責任な政策です。

 意見の異なる人となるべく対話をしない方針は内政でも外交でも一貫しているようです。

at 07:13, kameriki, 雑感

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がんばれ枝野さん

 民進党代表となった前原氏は衆議院議員選挙に向けて民進党としての公認候補を立てず、小池知事の立ち上げた「希望の党」に公認申請することを決めました。民進党代表選のときから小池知事と連携できるかどうかは前原氏と枝野氏の意見が分かれるところでしたが、民進党を小池氏に丸ごと身売りする前原代表の捨て身の戦略によって民進党が分裂することになりました。代表選で前原氏は衆議院議員選挙は政権選択の選挙であり、政策が一致しない党とは組めないと共産党との選挙協力に否定的でしたが、これまでの民進党と小池氏の考え方の方が民進党と共産党より差が大きいはずです。

 結局、枝野氏が新党「立憲民主党」を結成することによって、民進党が希望の党と合流するグループと枝野氏の立憲民主党、さらに無所属の有力者に分裂することとなりました。安倍政権と野党で一対一の選挙戦とはなりませんが、希望の党が選挙後に安倍政権の補完勢力となる可能性もあり、立憲民主党と共産党、社民党グループの協力候補が自公と希望の党に対抗できるかということになるでしょう。

at 07:52, kameriki, 雑感

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大きくする顕微鏡法(microscopy)

 二つのレンズで小さいものを拡大してみるのが光学顕微鏡ですが、この拡大はあくまで顕微鏡の視野の中での拡大で実際に小さいものが大きくなることはありません。しかし、光学顕微鏡では光など波の回折現象で解像度に限界があります。この限界を超える方法として、観察対象物を物理的に大きくしてしまう膨張顕微鏡法(expansion microscopy)という驚くべき方法があることを知りました。

 NHKEテレで9月24日に放送されたサイエンスZEROという番組で、8Kカメラを使って解像度を上げながら広い視野を確保する自治医科大学西村智教授の技術の次に、MITメディアラボのエドワード・ボイデン教授による膨張顕微鏡法が紹介されていました。8Kカメラの映像は9月30日に放送されたNHKスペシャル「人体」の番宣にもなっていました。映像は素晴らしいのですが、驚きはありません。番組で「逆転の発想」と紹介されていた見るものを実際に大きくしてしまう膨張顕微鏡法は、睡魔と戦いながら見ていたため原理を理解できませんでしたが、すごい技術として頭に残りました。ネットで調べると、2015年1月30日号のScienceに掲載された技術のようです(Chen F., Tillberg P. W. & Boyden E. S. Science 347:543-548,2015)。生体組織内で重合させたアクリル酸塩ポリマーに水を加えて組織を膨張させ5倍程度に拡大させることに成功したそうです。すべてに応用できるわけではありませんが、注目される技術と思いました。

at 07:33, kameriki, 雑感

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