テロ等準備罪の「等」が本質

 朝日新聞の世論調査によると「テロ等準備罪」を設ける法案に賛成が44%で、反対の25%を大きく上回ったとのことです。歴代自民党政権が過去に何度も制定を試みて不人気のためできなかった「共謀罪」、名前を変えることで高い支持が集められるとは、ネーミングの重要性(恐ろしさ)を感じます。もっとも、監視社会を受け入れやすい意識の変化が起きて「共謀罪」を受容する素地が広がった可能性もあります。法案を理解して多くの人が支持するのであればやむを得ないかもしれませんが、ネーミングに騙されて支持され法案が成立するようなことは避けなければなりません。法案は国会に提出されていませんが、これまでの安倍政権の国会運営では法案が提出されれば議論にかかわらず、強行採決をしても成立させるものと思われますので、提出される前から問題を指摘して世論を喚起することが必要です。

 この法案がなぜ「テロ準備罪」ではなく「テロ等準備罪」なのか、そこに本質があるように感じます。つまり、対象とする犯罪が「テロ」だけではないということです。テロ防止のためであれば、テロだけを対象犯罪とする「テロ準備罪」を新設すればよいのであって、「等」を入れるのは、テロを名目に犯罪の準備を広く罰する法案にしようとしているからです。「共謀罪」での考える段階で処罰する法律から「準備罪」と具体的行動を罰するものに変わったように安倍政権は説明していますが、共謀が認定されれば、準備をした人だけではなく、共謀に加わったけど準備していない人も罰せられ、「共謀」が罰せられる本質は変わっていないように見えます。

 インターネット通販で格安のお試し価格を提示している商品の中には、継続購入を条件として、初回だけ安くしているものがあるそうです。条件となる継続購入は小さい字で、消費者が気が付かないように表示してあり、トラブルとなっているとNHKテレビでやっていました。詐欺的悪徳商売で大事なことは、目立たないように表示されていることが多いものです。「等」の文字に隠した大事なことに目をやる必要がありそうです。

at 06:26, kameriki, 雑感

comments(0), trackbacks(0), - -

「意地悪」化する日本

 内田樹氏と福島みずほ氏の対談集(2015年4月から9月に4回)です。主に、「アベ政治」とそれを支持している現代日本の社会について語り合っています。トランプ氏が大統領選挙に出現する前で、日本の政治について語っているのですが、「平然と嘘をつく政治家」とか「虚偽のデータを論拠にする」論争など、まるでトランプ現象を話題にしているように見えてしまいます。要するに、トランプ氏の出現前から日本ではすでに類似の政治家が権力を握っていたことに気づかされます。日米のリーダーは似た者同士だから気が合うのでしょうか。

 教育にお金がかかることが問題となり、返済不要の奨学金が創設されますが、本書では過去に大学の授業料が急激に値上げされたことも話題になっています。授業料が上がると学生がバイト収入などを使って自分で払えなくなるため進学に「金主」である親の同意が必要になります。「教育投資」と呼ばれて、親による費用対効果のチェックのため「監視」され、学生は全共闘運動などできなくなったようです。内田氏は文部省の知恵者が全共闘運動をつぶすために、学生同士が連帯できないように大学を田舎に持っていくことと、授業料の値上げを思いついたと推測しています。

 本書が書かれたのは参議院選挙前でSEALDsなどの若者による政治運動への期待から参議院選挙への期待が述べられていますが、結果は予想とは異なっていました。

 米国の西太平洋戦略の基本は日本、韓国、中国、台湾、ASEAN諸国の分断統治でそれぞれに適度な緊張関係があって「信頼と友愛に基づく同盟関係」ができないようにすることと内田氏は言います。しかし、現在の日韓関係のようにあまりに不仲になると米国にとっても管理コストが増大し割に合わなくなるため、仲裁するということも、口を出さなくなるということもどちらもあり得るようです。内田氏は「エマニュエル・トッドは『アメリカの覇権が終わったら、次はドイツだ』と言っている」と「アメリカべったり」の外交姿勢の危険性を指摘しています。面白く一気に読めます。

「意地悪」化する日本

新品価格
¥1,728から
(2017/2/21 07:18時点)

「意地悪」化する日本 [ 内田樹 ]

価格:1,728円
(2017/2/21 07:20時点)

at 07:20, kameriki, 書籍紹介

comments(0), trackbacks(0), - -

金正日秘録

 金日成、正日、正恩と三世代にわたって権力が継承された北朝鮮、金正日氏を中心として、その人となりや政治体制について記した本です。金正日(金日成と金正淑の子)は金日成への忠誠競争によって叔父、金英柱(金日成の弟)と権力継承を争い、正日は朝鮮労働党宣伝扇動部で映画製作により抗日パルチザンの父親世代の支持を獲得し、貢物と粛清により権力を掌握していったようです。大学2年の1962年8月下旬から10月初旬のわずかな期間の大学の必須科目としての軍事訓練だけで軍歴のない正日は軍の権力を継承させてもらえませんでしたが、ライバルの異母弟、金平一(金聖愛の子)の母、聖愛の弟、金聖甲の麻薬依存を材料にして聖愛の勢力を一気に排除して、権力を継承したようです。先軍政治と呼ばれ核開発を優先する正日の政治は中国式改革開放や融和的対外政策を模索する父日成とは対立していたようですが、日成もすべての権力を掌握していた正日の方針と異なる政策はできなくなっていたようです。

 正男氏の暗殺で金正恩委員長の残酷さが指摘されていますが、大韓航空機爆破事件をはじめとする数々のテロ行為や日本人など外国人の拉致事件などの凶悪犯罪や、反対勢力の粛清(処刑)といった正日の行いをまねているだけとも言えます。正男氏は金正恩氏とは異なる母、成瀘屬了劼如∪菊の最初の子ですが、人妻で美貌の女優であった瀘屬鯲奪してできた子で、日成にも隠していたようです。日陰の正男氏、北朝鮮への影響力もなかったと言われていますが、正日からの継承争いをしていた時期もあったようです。不法入国として成田空港で拘束され強制退去となった事件で、ディズニーランド来園のために来たといわれていますが、本書によるとイラクに輸出したミサイル代金の回収が目的で訪日したようです。「正日から委任され、イラク軍からの送金をスイスや香港、シドニーで回収し、最終任務地が東京だった」とのことですが、金正恩氏の母、高英姫が正男氏の行動経路を米国CIAにリークしたため、CIA経由の情報によって日本で拘束されたようです。この一件は正男氏にとって後継争いの汚点となりました。正男氏の母は正妻ではありませんが、正恩氏の母、高英姫も正妻ではなく、正妻、英淑には女子(雪松)しかできなかったようです。

 金正日は金大中韓国大統領と南北首脳会談を行い、日本人拉致事件も認め、融和的な外交姿勢のようにも見えましたが、南北首脳会談は韓国から巨額の外貨を取得し、核開発の時間を稼ぐことを目的としていたようです。金正恩氏がこの政治を受け継いでいるのであれば、核を放棄させることは絶望的に感じます。

金正日秘録 なぜ正恩体制は崩壊しないのか

新品価格
¥1,836から
(2017/2/20 07:21時点)

金正日秘録 [ 李相哲 ]

価格:1,836円
(2017/2/20 07:22時点)

at 07:22, kameriki, 書籍紹介

comments(0), trackbacks(0), - -

リアル韓流ドラマ金王朝

 金正日氏の長男、金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアで殺害されたというニュースには驚きました。まるで朝鮮王朝で権力争いをしている韓流ドラマでを見ているようです。金正男氏の後ろ盾となっていた張成沢氏はすでに処刑され、国外で暮らしている金正男氏に政治的な影響力は全くないと言われていました。金正恩氏は兄が生きているだけで心配だったのでしょうか。ライバルを抹殺しなければ、安定した権力基盤を維持できない政治体制はとても悲しいものです。朝鮮王朝が北で「金王朝」として継続されているみたいです。もちろん、激しい権力争いは中国でもロシアでも起きていますし、反体制派の殺害は中東諸国でもあったようですが、権力争いが平和的に行われる世界になってほしいものです。

at 07:22, kameriki, 雑感

comments(0), trackbacks(0), - -

すごいぞラジコタイムフリー

 スマートフォンなどインターネット経由で民放のラジオ放送が聞ける配信サービスラジコ(radiko)、放送終了後も繰り返し聴けるタイムフリーサービスが始まりました。すべてのチャンネルすべての番組で1週間は遡ることができます。

 全国のラジオ放送が聞けるエリアフリーのサービスを利用するためには有料会員となる必要がありましたが、タイムフリーは無料で会員登録も必要ありません。最新版のラジコのアプリをインストールすればすぐに利用可能です。日曜夕方4時よく聞いていた福山雅治さんのラジオ、スポンサーが変わって放送が土曜日に変更されてから聞いたことがありませんでした。ラジコのタイムフリーで聞いたら、依然と同じ内容の番組構成でうれしくなりました。

 民放なのにCMの時間を手動でスキップすることもできます。なんて太っ腹なんでしょう。

at 07:19, kameriki, 雑感

comments(0), trackbacks(0), - -

日米会談付け払いは庶民か?

 日米首脳会談が開かれ、トランプ大統領から円安ドル高に対する注文が付けられなかったことで安堵し、会談の結果はおおむね評価されているようです。しかし、公式の会談で注文がなくても、その後のゴルフなどの場で何を言われたかは分かりません。仮にゴルフも含めた非公式な場でも注文がなかったとしても、懸案が解決したわけではなく今後に持ち越しただけでしょう。世界の首脳に先駆けて親密な姿を見せ、今後何を言われても断り難い関係に追い込まれたとも言えます。トランプ大統領はTPPではなく2国間FTAで米国に有利な協定を結びたい意向で、経済界からTPPの代わりを求められる安倍首相もFTA交渉に応じるでしょう。農産物の関税撤廃だけではなく、ISD条項や著作権、医薬品特許期間の延長などTPPで問題となった事項に加えて健康保険を脅かす自由診療や薬価算定制度への介入など、庶民の暮らしに直結する問題が議題となるかもしれません。トランプ大統領は米国大企業の利益が増大するような協定を結ぼうとし、安倍首相にそれを押し返す力があるとは思えません。なぜなら、米国大企業優先の協定は安倍首相を支える財界や金持ちの利益にもかなうからです。しわ寄せは庶民の暮らしに来るでしょう。諸般の事情からFTAの交渉には応じても締結しない方が庶民のためです。くれぐれも密約などしないようにしてもらいたいものです。

at 07:03, kameriki, 雑感

comments(0), trackbacks(0), - -

ルウなしでクリームシチュー

 シチューのルウが98円(税抜き)で売っているとついつい買ってしまうのですが、クリームシチューを作るためには牛乳を入れる必要があります。パッケージの指示に従うとルウ1回分(半量)当たり、牛乳150mLが必要で、1Lパックの牛乳を買うと牛乳が大量に余ります。普段牛乳を飲む習慣がないので、シチューのために牛乳を買う時、200mLで買うより割安な1Lを買って、あとで使い道に困ることになります。そこで、牛乳を使うレシピを検索したらCOOKPADに「牛乳1リットルでホワイトソース」というレシピがありました。家にある材料で作れそうだったので、このレシピを参考にして、余っていた牛乳800mLを使った料理を作りました。

 市販のルウを使わなくてもクリームシチューができて感動しました(レシピ考案者に感謝します)。具材を炒めて牛乳で煮て小麦粉でとろみをつけるとシチューになるようです。レシピではコンソメを使って味付けしているようですが、私はインスタントラーメンの粉末スープを使いました。コンソメの代わりになります。この粉末スープは鍋用のスープにも、玉ねぎと溶き卵で簡単スープにも使えます。残った麺はどうするかというと、鍋の締めにも使えますが、もっぱら昆布つゆを使ってうどんのような味付けで食べています。

at 09:10, kameriki, 料理

comments(0), trackbacks(0), - -

クリアアサヒ桜の宴

 美味しい第三のビール「クリアアサヒ」の春限定「桜の宴」をコンビニのポイントで入手して飲みました。「シトラ&カスケードホップ一部使用」ということで、スタンダードのクリアアサヒとは異なる香りのようです。好みの問題ですが、私はスタンダードの方がおいしく感じました。アルコール分は5%で同じですが、限定品として香りによる特徴を出すことはできていると思います。華やいだ雰囲気のパッケージで花見には良いかもしれません。

at 07:57, kameriki, 商品レビュー

comments(0), trackbacks(0), - -

戦闘は戦闘

 南スーダンPKOに派遣されていた自衛隊員の日報が公開され、現地が戦闘状態であったかどうか国会で論争となりました。稲田防衛大臣は民進党議員の質問に、法的な意味での戦闘行為ではなく武力衝突だと繰り返し答弁したようです。一般人には法的な意味の戦闘と武力衝突がどう違うのかよく分かりませんが、稲田大臣によれば、憲法9条のため戦闘が起こっていればPKO活動ができなくなるけれど、武力衝突であれば自衛隊がPKOを続けられるとのことです。稲田大臣の説明によると戦闘は「国または国準(国に準じた組織)との間、また国際紛争を解決する」手段として起こっている武力衝突で、そうでなければ戦闘ではない武力衝突になるようです。南スーダンの武力衝突は当事者の一方が国準に当たらないから戦闘ではないと説明しているようです。どちらも危険性は変わらず、両者に本質的な違いがあるとは思えません。戦闘行為でない武力衝突があってもPKOに派遣できるというのであれば、これまでの国会説明とは異なりPKO協力法を審議しなおすべきではないでしょうか。自衛隊員が武力衝突に巻き込まれないうちに撤収すべきでしょう。

at 08:01, kameriki, 雑感

comments(0), trackbacks(0), - -

イスラーム国の黒旗のもとに

 国際的なテロ対策の第一のターゲットはイスラム国です。突然現れたイスラム国を生み出した直接のきっかけは米国によるイラク戦争ですが、イスラム国の出現前からジハードを奨励するイスラム過激主義やカリフ制国家などの歴史があってイスラム国が生まれたようです。

 第一次サウジアラビア王国(1744-1818年)を築いたムハンマド・イブン・アブドゥルワッハーブとムハンマド・イブン・サウードはイブン・タイミーヤ(1263-1328年)の思想に傾倒し、預言者ムハンマド以降のイスラーム解釈に反対してユダヤ教徒、キリスト教徒、シーア派、アラウィー派を異端とし偶像を認めず宗教儀礼を禁じ信仰の対象はアッラー(神)だけとする、後にワッハーブ主義と呼ばれる思想を広めていったそうです。「手足の切断や斬首といった厳罰を用いることでアラビアの砂漠に恐怖と服従を広め」、「サウジアラビアの領土の大部分を制圧した」とのことです。第一次サウジアラビア王国はオスマン帝国に滅ぼされますが、第一次世界大戦でオスマン帝国が崩壊したのち、1932年イブン・サウードの直系の孫アブドゥルアズィーズによって再建され(第三次サウジアラビア王国)現在のサウジアラビアに至っているようです。「不信仰者を殺害してイスラーム世界を異国の考え方や生活様式から浄化することはワッハーブ主義の核心」となり、思想はサウジアラビアに生き続けアル=カーイダ、ヌスラ戦線、ISISなどスンナ派によるジハード運動の理論的背景となっているようです。

 ソ連のアフガニスタン侵攻がアラブ人ジハード戦士を集めアル=カーイダを作り、米国のイラク戦争が「西側諸国にはイラクにおけるアル=カーイダと呼ばれた「二大河の国のアル=カーイダ」を生み出したようです。この組織を作ったのはアブー・ムスアブ・ザルカーウィーというヨルダン国王失脚を狙うヨルダン国籍のサラフィー主義者で米軍によって殺害されましたが、弟子がシリアに逃げてヌスラ戦線を作ったとのことです。ヌスラ戦線の指導者はシリア人アブー・ムハンマド・ジャウラーニーでISISのアブー・バクル・バクダーディーとはライバル関係にあるようです。バクダーディーはフセイン政権の元バアス党員をリクルートしてISISの強大な軍事力を築き、シリアではムスリム同胞団のシリア支部が作られ非合法化された後もクーデーターで権力を握ったシリアのバアス党に対するジハードを仕掛けていたようです。

 ISISはロシア軍などに支援されたアサド政権軍の攻勢を受けながら未だシリアでの支配地域を維持していますが、さらに、エルサレムのアンサール団を指導し、シナイ半島への影響力を高めているようです。武器や資金などの支援はせず指導だけですが、アンサール団は勢力を拡大し、同様の方法でリビアでも勢力を拡大しているようです。

 イスラーム国の黒旗ですが、黒は預言者ムハンマドの旗の色でアッバース朝の公式の色、黒が日常、白が来世の純潔さや身体と魂の浄化を意味し、死と関連付けられているそうです。

イスラーム国の黒旗のもとに ―新たなるジハード主義の展開と深層―

新品価格
¥2,808から
(2017/2/9 07:17時点)

>イスラーム国の黒旗のもとに [ サーミー・ムバイヤド ]

価格:2,808円
(2017/2/9 07:18時点)

at 07:18, kameriki, 書籍紹介

comments(0), trackbacks(0), - -